火は太古の昔から、人間の生活には欠かせないもの。料理を作る、暖をとる、危険から身を守る、明かりを保つ。
そして、神聖なものとして多くの宗教儀式などにも使われ信仰の対象でもあります。長い歴史の中で、次第に家の中に取り入れることができるようになってきました。
暖炉の始まりは紀元前3000年頃といわれ、小屋の中心に穴を掘りそこに火をいれたことがきっかけ。当初、粘土製のものであったといわれています。次第に、煙突が作られるようになり、そのため壁に移動したのが現在のスタイルにつながっています。
住宅における一種の上座に位置することから、シンボリックな意味合いが強まりました。中世ヨーロッパでは、王侯貴族たちの間で大ブームに。暖をとり、肉を焼く道具から、ステイタスを表現する家のシンボルとして、デザインへも一層のこだわりが芽生えました。暖炉を装飾的に囲うマントルピースは、各地の職人が技を競いあい、ゴシック、ルネッサンス、ロココの様式を受けた芸術性の高い暖炉がつくられたのです。17世紀の中盤には、イギリスで煉瓦を焼く技術の進歩により、庶民にも暖炉が普及。19世紀後半に、イギリスで誕生したアーツ&クラフトの流れを受け、機能美を活かした直線的なデザイン生まれました。
一方、ロシアから発祥したペチカ(ロシア式)も西へ広がり、ポーランド、チェコスロバキアへと普及していきました。料理・暖房に加え、衣服の乾燥や家畜のために水を温める。更に暖炉に上に寝床をとるなど、生活に密着していました。ロシア式では暖炉の側面にタイルを貼るスタイルが特徴。アメリカ、カナダにおいても、自然派志向のライフスタイルからナチュラルな素材の暖炉が愛好家に人気です。 |